喫煙と呼吸機能

人の呼吸機能は20歳ぐらいをピークに生涯落ちていくのみです。下記の画像は一秒量を指標として呼吸機能の変化を模式化したものです。(Fletcher.C.M.&Peto.R.:Br.Med.J.1:1645,1977)

 このグラフによれば、呼吸機能というものは生涯を通じ、悪くなっていくといえます。ある呼吸機能までになると呼吸障害が発生し、さらに下降すると、死亡するという事です。喫煙した事のない人は個人差はあるものの呼吸障害を体験する事はないという事になります。しかし、喫煙者では非喫煙者に比べ、個人差は当然ありますが、呼吸機能の落ち込みは早く、平均寿命以内に呼吸障害を発生し、呼吸障害のため死亡するという事になります。呼吸障害が発生してから禁煙をしても、呼吸機能はその時以上には回復しないので、呼吸障害はなくなりません。しかしこのモデルでは45歳ぐらいで禁煙すると平均寿命以内には呼吸障害は経験しない事を示しています。すなわち早く禁煙すれば早いほど、呼吸障害は発生せず、機能には十分な余裕が残るといえます。

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